近年、子供の猫背が増加していることが懸念されています。この現象の背景には、いくつかの生活習慣や環境の変化が関係しています。まず、スマートフォンやタブレットなどデジタル機器の長時間使用が挙げられます。これらの機器を使用する際、どうしても前かがみの姿勢になりがちです。特に、ゲームや動画の視聴時には画面を近くで見ようとするため、猫背を助長します。
次に、学習環境の影響も無視できません。机や椅子の高さが子供の体格に合っていないと、自然と前かがみになります。また、長時間の勉強や習い事により同じ姿勢が続くことも大きな要因です。
さらに、運動不足も大きな問題です。外で遊ぶ機会が減っている現代において、背筋や体幹の筋力が十分に発達しないことが、正しい姿勢を維持するのを難しくしています。筋力が不足することで、猫背が悪化するリスクが高まります。
また、心理的要因も姿勢に影響を与えます。自信のなさや、他者の前での緊張から無意識に背を丸めてしまう子供もいます。学校生活におけるストレスや疲労感も姿勢に影響を与えます。
発育期特有の要因も見逃せません。身長が急に伸びる時期には、体幹や筋力の発達が追いつかず、姿勢が崩れることがあります。成長痛や体の不均衡が一時的に猫背を引き起こすこともあります。
このように、現代の子供たちが抱える猫背の問題は、デジタル機器の使用、運動不足、そして学習環境の不適合といった要素が重なり合い、さらに心理的な要因や発育期の特性が影響している複雑な問題です。家庭や教育現場での適切な対策が求められます。
子供の猫背がただ単に見た目の問題ではなく、成長期における心身の健康に多大な影響を及ぼすことを見逃してはなりません。この姿勢の歪みは身体的な不調を引き起こす大きな原因となります。猫背により胸郭が圧迫されると、肺が十分に膨らまず呼吸が浅くなり、結果として酸素の取り込みが減少します。これが集中力や持久力に影響を与えるのは、想像に難くありません。また、猫背は首や肩に負担をかけやすく、肩こりや首こり、さらに重度の頭痛を引き起こすこともあります。
加えて、背骨の自然なS字カーブが崩れることで腰痛のリスクが増加し、長時間座っていることが難しくなる場合もあります。また、消化器が圧迫されることで食欲不振や消化不良につながることがあるため、食事にも影響が及ぶ可能性があります。
心理面にも影響をもたらし、猫背により自信を欠いた印象を与えてしまうことがあります。これが自己肯定感の低下や気分の落ち込みに発展することも多く、姿勢と心の状態は切っても切り離せない関係にあります。
学習面では、浅い呼吸が脳への酸素供給を減らすことで集中力を削ぎ、さらに姿勢の悪さが近視の進行を促進させるリスクがあるため、学習効率にも悪影響をもたらします。
特に子供の猫背が運動能力に与える影響は非常に大きく、体幹や関節の動きに直結しています。まず、猫背が体幹の安定性を低下させ、腹筋や背筋が十分に使えなくなるため、力が逃げる状態に陥ります。このため、走る、跳ぶ、投げるといった基本的な動作で十分なパワーが出にくくなります。
さらに、猫背になることで頭が前に出るため重心が不安定になり、バランス感覚も低下します。この影響で片足立ちやジャンプの着地が不安定になりやすくなります。また、肩や股関節の可動域が狭くなります。肩甲骨が外側に開きやすくなり、腕を大きく振ることが難しくなるほか、骨盤が後傾しやすくなり股関節の動きが硬くなります。これが、走るフォームやキック動作に悪影響を及ぼす原因となります。
呼吸効率の低下も見逃せません。胸郭がつぶれるため深い呼吸がしにくく、酸素が十分に取り込めず、持久力が低下し、長距離走や持久力を求められるスポーツでスタミナ切れが早まります。そのほか、姿勢の歪みにより特定の関節や筋肉に負担がかかり、「膝の痛み」「腰痛」「肩の故障」など成長期特有のけがが起こりやすくなります。
これらのことから、猫背は「力が出しにくい」「バランスを崩しやすい」「スタミナが落ちる」「けがしやすい」という形で、運動能力全般を下げるリスクがあります。
このように、子供の猫背は身体、心、そして学習のすべてにわたる重要な問題であり、早期の対処が求められます。一丸となって猫背の改善に取り組むことが、子供の健やかな成長を支える鍵となるのです。
【症例紹介】
このお子さんは、普段から猫背で姿勢が悪いため、親御さんも以前から心配していらっしゃいました。しかし、子ども自身はそれに気付かず、肩こりなどの目立った症状もないため、特に対策を講じることもなく過ごしていました。それが最近になり、運動教室の先生から「その姿勢では運動パフォーマンスが低下する」と指摘を受けたことをきっかけに、このままではまずいと感じ、当院へ来院されました。
《姿勢分析結果》
姿勢分析を行ったところ、顕著な猫背が観察されました。この猫背により、当人は自覚がないまま首や肩にコリとして表れる筋肉の固さが見られました。さらに、関節の位置の不良が影響し、首関節や肩関節の可動域に制限が生じていました。猫背は体全体の重心を前方に傾け、結果として体の安定感を低下させます。これらの要因が運動パフォーマンスの低下につながる可能性があります。そこで、当院では、子供用の猫背矯正プログラムを通じて姿勢の改善を目指しています。キッズ猫背の矯正は、成長期の子供たちにとって特に重要で、早期に適切な姿勢を保つことが長期的な健康維持に貢献します。
《施術経過》
初回のキッズ猫背プログラムから、姿勢の改善が見られるようになりました。正しい姿勢を体に定着させるため、週に一度のペースでこのプログラムを続けてきました。2ヶ月が経過した頃には、無意識のうちに良好な姿勢を維持できるようになりました。親御さんからは「普段の姿勢が見違えるように改善され、体を動かす際の成績も上がった」とお喜びの声をいただいております。このような結果を受け、今回のキッズ猫背プログラムを終了することにしました。
《姿勢のビフォーアフター写真》

《コメント》
成長期の子供にとって、姿勢の乱れは特に注意が必要です。猫背は、その例として一般的に見られる問題の一つです。猫背は外見上の問題だけでなく、健康全般に影響を及ぼします。長時間続くと、背中や肩の痛みにつながるだけでなく、呼吸機能や消化機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。
早めに姿勢を改善することが、健康的な成長を促進するために重要です。整体による姿勢矯正は、柔軟性のある子供の体にとって非常に効果的です。専門家による正確な診断と適切な施術により、少しずつ姿勢の改善が見られることでしょう。
また、日常生活においても、姿勢に意識を向けることが勧められます。適切な座り方や立ち方を指導し、運動やストレッチの習慣を取り入れることで、猫背の予防や改善に役立ちます。早期に対処することで、子供たちは身体的にも精神的にも健やかに育っていくことができるでしょう。親御さんは、時には専門家のアドバイスを受けながら、子供たちの健やかな成長をサポートしていきましょう。
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東大阪市高井田の整体院『姿勢矯正院スタイルケア』です。当院は東大阪市にある姿勢矯正専門の整体院です。今まで数多くの姿勢の歪みを改善してきた実績があり、肩こりや腰痛、頭痛や産後の症状・自律神経の不調など、身体の様々なトラブルを『姿勢』から改善していきます。予約優先制となっておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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藤戸 恭介
保有資格:柔道整復師 鍼灸師 美容整骨師
20年以上、整体の業界に携わってきた。整骨院・整体院・整形外科など様々な職場を経験した後、鳥取市・高知市で整骨院を開院。それらの経験から「あらゆる症状は姿勢を治すことで改善する」ことを学ぶ。その後、整骨院による保険診療に限界を感じたため、地元である東大阪市高井田で姿勢矯正専門の整体院「姿勢矯正院スタイルケア」を開院する。
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